バースデイのための10本立てスタンド

カテゴリ 『キャンドルのある暮し』より

キャンドル(ロウソク)スリムキャンドル

父親のバースデイはやはり特別な日。

みんなでいろいろと相談をしてそのための準備をします。

今さら、中年の父親にバースデニケーキでもないので、何かよいプランがないかと思っていましたら、ぴったりのバースデイ用キャンドルというのをみつけました。

銀の受け皿がついていて、それに細い細いスリムキャンドルというのが10本立ちます。


キャンドル(ロウソク)真中のペンシルキャンドルを入れると11本になるのですが、年の数とはどうしても上手くいきません。

でも、バースデイケーキだとしても、もう父親の歳の数だけキャンドルを立てるわけにもいかないですから、この際これに灯をともしてぱッと盛り上げて、そして消してもらえば一応バースデイキャンドルの役目は果たします。

それに誰の誕生日にも使えるし、スリムキャンドルの色も7色もあるので、もうこれに決めてしまいました。

娘と息子で買ってきたのは父親に少しでもおしゃれをして欲しい……とブランドのネクタイ。それじゃあ母親は、今年も例年通りにと花屋さんでブーケにリボンをつけてもらいます。

その黄色のバラに色を合わせて買ってきたスリムキャンドルも黄色。

パッケージから出して、そっと1本ずつ折れないように立ててみます。ちょうど羽根を拡げかけた鳥のように、少し開きかげんに10本立つと、なかなか立派です。

真中に同色のペンシルキャンドルを立ててみると、すっかりおさまって、すぐにでも灯をつけたくなります。

父親が坐った前でつける本番まで、代わりがないのだから……と、何度も何度も娘にたしなめられて、灯をつけるのだけは断念。

でも初めからテーブルの父親の前においておき、そこで灯をつけるか、灯をつけたキャンドルスタンドごと持って出てくるか、さんざんもめたあと、結局は後者の方が素敵ということで、まずは裏にかくします。

グリーンのテーブルクロスにお皿、カトラリー、グラスも並べて、贈りものも、カードも傍におき、仕度はすべて出来ました。

待つことしばし、ピンポーン……。あッ帰ってきた……。

上衣を受けとり、そこそこに坐ってもらって、みんなも一応着席。

14分は保つときいていたけど、あまりにも細いキャンドルで心配。

ところが食卓におくや否や、父親はふぅッと消してしまいました。拍手……。その間、3分でしょうか。

でも心にずーんと残るすてきな45歳の父親の誕生日祝いでした。

  1. 『キャンドルのある暮らし』
クニエダヤスエ(著)、REI SATO(写真) じゃこめてぃ出版 1992/11/14
クニエダヤスエ氏:テーブルコーディネーター、NPO法人食空間コーディネート協会筆頭副理事長


キャンドルの不思議なチカラ。