復活した生命に祈りを捧げる蜜ロウのキャンドル

カテゴリ History of Candle

キャンドル(ロウソク)Chapter 4

復活祭(イースター)。

十字架に磔(はりつけ)にされて死んだイエス・キリストが、3日後に生き返ったことを記念する行事ですね。カトリック教会のなかでも、もっとも重要な記念日とされています。毎年、3月22日から4月25日までの日曜日に行われるのが通例で、記念日としては降誕祭(クリスマスのことですね)より歴史が古く、また重要視されているそうです。

この記念日に欠かせないのが灯火。キャンドルライトは新しい生命の象徴として祭壇に捧げられます。このとき、キャンドルには蜜ロウが入っていなければならない、とされています。なぜでしょうか?


オルヴィエートの壁画に描かれていた最古のキャンドルからおよそ500年後、A.C.200年頃になるとキャンドルはローマを中心に大量に作られるようになりました。それらのほとんどは蜜蝋(ロウ)を材料としていました。Chapter2ではエジプトのミイラを保存するために用いた、あの蜜蝋です。

ミツバチは花の蜜を採取して蜂蜜に変える時、体内からロウを出して六角形の巣を作りますが、この蜜蝋はまたキャンドルの材料としても優れた性質を持っていました。巣を熱湯の中で溶かし、布で漉すとカスや汚物が取り除かれてきれいなロウが取れます。

取れたばかりのロウは黄色で匂いもよく、口に含んでも無害。これを日中にさらしていると漂白されて半透明の白色になります。つまり混ざりモノがない、半透明の白という色は純潔と処女の証。ゆえに蜜ロウのキャンドルが象徴として使われるようになったのです。

キャンドル(ロウソク)第41代教皇の聖ゾシムズ(任期417〜418年)は法王の命令として復活祭にはすべての教会で蜜ロウソクを灯し、キリスト昇天の祝祭日までの50日間、その場所で火を絶やさずに灯し続けるように定めた、といいます。

現在、キャンドルにはパラフィンをはじめ、いろいろな材料が含まれていますが、今でもカソリックの大祭には蜜ロウだけのもの、あるいは蜜ロウが含まれているキャンドルを使っています。キャンドルと灯りに込められた宗教的な祈りは、この頃から始まりました。

ところで、復活祭に欠かせないもうひとつの存在がイースター・エッグ。こちらも卵は誕生を意味するもので、復活祭には茹でた玉子の殻に鮮やかな彩色を施して家に飾ります。地方によっては、庭や家などに隠し、子供に探させるところもあるそうです。

ここから生まれた発想が、コンピューターのイースター・エッグ。これはコンピューターのプログラムに含まれる隠しプログラムのこと。通常の使用では起動せず、公開されていない特殊な方法を使うと立ち上がり、製作者がこっそり隠したメッセージが起動するそうです。プログラムを壊してしまうバグとは異なり、プログラムに影響を与えることなく、プログラム製作者たちの顔写真などが出るそうです。厳かなイメージを持つ復活祭ですが、こんな茶目っ気に使われるセンスもあるのですね。


キャンドルの不思議なチカラ。